今回(こんかい)の「時の理科(ときのりか)」は「終末時計(しゅうまつどけい)」のお話(はなし)や。

この時計があるのは「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」の編集部(へんしゅうぶ)のあるアメリカのシカゴ大学(だいがく)の中(なか)なんや。
原爆(げんばく/げんしばくだん)がもたらしたひどい結果(けっか)を見た(みた)、アインシュタインとオッペンハイマーの2人の博士(はかせ)のよびかけで、原爆を開発(かいはつ)している科学者(かがくしゃ)たちが集まり(あつまり)、科学誌(かがくし)「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」を作り(つくり)、その2年後(2ねんご)の1947年から毎号(まいごう)の表紙(ひょうし)にのっているんや。

この「終末時計」というのは、核戦争(かくせんそう)によっておこりえる地球破滅(ちきゅうはめつ)の危険度(きけんど)を「12時までの残り(のこり)時間」であらわしている時計のことなんや。
20世紀(せいき)最後(さいご)の月(つき)のネタとしては、なんかこわいネタすぎるかもしれんけど、われわれの生活(せいかつ)は科学の発達(はったつ)によって、すごく便利(べんり)になっているいっぽう、科学によって作られたさまざまな危険(きけん)にもさらされているということを知って(しって)おいてほしいんや。

その時間のうつりかわりを歴史(れきし)をたどりながら見ていこか。

1947年 「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」に終末時計がのる。
12時7分前
1949年 「ソ連(それん)の原爆(げんばく)実験成功(じっけんせいこう」
12時3分前
1953年「アメリカが水爆(すいばく)実験成功」
12時2分前
1984年 軍拡競争(ぐんかくきょうそう)の影響(えいきょう)で、12時3分前に。
1991年 「米ソ第1次戦略兵器削減条約(べいそだいいちじせんりゃくへいきさくげんじょうやく)により危機(きき)を脱した(だっした)」
12時17分前 過去最大(かこさいだい)>
1998年「インド・パキスタンの核(かく)実験」12時9分前
1999年 12時9分前


となっているんや。
この時計の針(はり)が動かされる(うごかされる)たびに、世界中(せかいじゅう)のマスコミが大きく報道(ほうどう)するんや。1990年には、時刻(じこく)の決定基準(けっていきじゅん)に地球の環境(かんきょう)も取り入れられ(とりいれられ)、10分前からのスタートになったんや。
今の地球の状態(じょうたい)を考える(かんがえる)と、核兵器よりもオゾンホールや温暖化(おんだんか)と言った環境の危険度(きけんど)のほうがこわいかもしれないな。

さ、今回はここまで。
21世紀に活躍(かつやく)するみんなには、この終末時計を1分でも戻す(もどす)ような努力(どりょく)をしてほしいんや。たのむで。
ほんじゃ、また次回(じかい)な。     


参考文献
時と時計の百科事典/織田一朗
せしもさんからいただいたメール資料

 

2000年12月号