今回(こんかい)も元気(げんき)にはじめるぞぉ。注目(ちゅうもく)!
今回は「冒険と腕時計(ぼうけんとうでどけい)」の第2回目(だい2かいめ)だぞぉ。
前回(ぜんかい)の大場満郎(おおばみつろう)さんとランドマスターの話(はなし)はどうだったかな?
さて、第2回目の今回は大場満郎さんも「植村直己(うえむらなおみ)さんとの出会いがなかったら今(いま)の自分(じぶん)はなかった」というほど尊敬(そんけい)している世界(せかい)を代表(だいひょう)する冒険家(ぼうけんか)故(こ)植村直己さんと腕時計の話をしていくぞぉ。
故と書いてあるのは、植村直己さんはマッキンリーの世界初冬期単独(せかいはつとうきたんどく)の登頂(とうちょう)に成功(せいこう)した、1984年2月13日に登頂を知らせる(しらせる)交信(こうしん)を最後(さいご)に帰らない(かえらない)人(ひと)になってしまったからなんだ。
まずは、その植村直己さんの冒険の歴史(れきし)を見ていこう。
1941年02月12日:兵庫県城崎郡日高町上郷(ひょうごけんしろさきぐんひだかまちかみごう)で生まれる。
1966年07月25日:マッターホルン単独登頂(たんどくとうちょう)。
1966年10月24日:アフリカ最高峰(さいこうほう)キリマンジャロ単独登頂。
1968年02月05日:南米最高峰(なんべいさいこうほう)アコンカグア単独登頂。
1970年05月11日:日本人として初めてエベレスト登頂。
1971年01月01日:グランド・ジョラス北壁(ほくへき)登頂。
1976年07月31日:エルブルース登頂。
1978年04月29日:世界初(せかいはつ)の北極点犬ゾリ(いぬぞり)単独行(たんどくこう)、北極点到達(ほっきょくてんとうたつ)。
1980年08月13日:アコンカグア2度目の登頂。
1984年02月12日:世界初マッキンリー冬期単独登頂。
1984年02月13日:マッキンリーにてチャーター機(き)に登頂を知らせる交信を最後に消息(しょうそく)を絶つ(たつ)。
|
植村直己さんは、1970年に日本人として初めてエベレストに登り(のぼり)、世界で初めて五大陸(ごたいりく)の最高峰(さいこうほう)を極めた(きわめた)というものすごい冒険家なんだ。
そして、生まれ(うまれ)故郷(こきょう)を大切(たいせつ)に思う(おもう)気持ち(きもち)も強く(つよく)て、1つの冒険を終える(おえる)と必ず(かならず)故郷の日高町(ひだかまち)に帰り(かえり)、町(まち)の人たちにその冒険の話を聞かせて(きかせて)いるんだぞぉ。なんかいい話だなぁ。
そんな植村直己さんが、北極点犬ゾリ単独行(ほっきょくてんいぬゾリたんどくこう)で使ったのが写真(しゃしん)のセイコーの150mダイバーだったんだぞぉ。
このセイコー150mダイバーは、日本で初めての本格的(ほんかくてき)なダイバーウォッチで、1966年の第8次南極越冬隊(なんきょくえっとうたい)にも採用(さいよう)されたという腕時計なんだ。
では、どうして植村さんが、この150mダイバーを使うようになったのかを説明(せつめい)するぞ。
それは、その犬ゾリ単独行の時に、最初は外国製(がいこくせい)の防水(ぼうすい)モデルを使っていたんだ。
けれど凍傷(とうしょう)をふせぐためにその時計の金属製(きんぞくせい)のベルトを、革(かわ)につけかえて使っていたところ、ベルトが切れて(きれて)しまい、しかたなくポケットに入れて(いれて)おいたところ、今度(こんど)は、時計の中の油(あぶら)がかたまって、動かなくなってしまったんだ。そこで、途中(とちゅう)の補給地点(ほきゅうちてん)で、取材(しゅざい)に来て(きて)いた昔(むかし)からの知り合い(しりあい)の記者(きしゃ)が持っていたセイコーの腕時計と交換(こうかん)して、のこりの旅(たび)をのりきったということなんだぞぉ。
その時に記者と交換されたセイコーの腕時計が、この150mダイバーだと言われているんだぞぉ。
残念(ざんねん)ながら、植村直己さんは、マッキンリーで帰らぬ(かえらぬ)人となってしまったのだが、植村さんの残した数々(かずかず)のかがやかしい功績(こうせき)にちなんで、「植村直己冒険賞(うえむらなおみぼうけんしょう)」というのが作られ(つくられ)、1999年には2月号で紹介した大場満郎さんが、その賞を受賞(じゅしょう)しているんだぞぉ。
興味(きょうみ)のある人は、2人のホームページを見てみるといいぞぉ。
ということで、今回はここまで。この「冒険と腕時計の話」は、次回も続くぞぉ。
次回(じかい)も楽しみにまっててくれよなぁ。
植村直己さんのホームページ:http://www2.nkansai.ne.jp/uemura/index.htm
大場満郎さんのホームページ:http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Ocean/6508/
2001年3月号