2000年9月の「時の歴史(ときのれきし)」にのっていた棒テンプ(ぼうテンプ)が使われて(つかわれて)いる「冠型脱進機(かんむりがただっしんき)」の仕組み(しくみ)について、いっしょに見ていこうね。
テンプという部品(ぶひん)は、一定(いってい)の速度(そくど)を保つ(たもつ)ために使われているというのは、「時の歴史」のページで覚えて(おぼえて)くれたかな。
それではまず「脱進機(だっしんき)」が時計の中でどんな働き(はたらき)をしているのかということからはじめようか。時計に使われている振り子(ふりこ)やテンプは、そのままにしておくとだんだんとその動き(うごき)が弱く(よわく)なって、止まって(とまって)しまうんだ。だから、ほんの少しの力を、振り子やテンプにあたえつづけて、そのうえ正しい速度で動くようにする特別(とくべつ)なものなんだ。
「脱進機」の名前(なまえ)は、アンクルのつめが、ガンギ車(ぐるま)の歯(は)にひっかかっているのがぬけて、ガンギ車がひと歯ずつ進む(すすむ)ことを繰り返す(くりかえす)ことからつけられたんだ。「脱(だつ)」というのは「ぬける」という意味(いみ)で、「進(しん)」というのは「すすむ」という意味で、その2つのことをするから「脱進機」となるんだ。時計のカチコチという音は、ガンギ車の歯が、1つずつ脱進される時にでる音なんだよ。わかったかな。
さぁ、それではこの「冠型脱進機」の動きを見てみよう。
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