
これからの時計(とけい)はどうなっていくんだろう?
いちばん新しい(あたらしい)技術(ぎじゅつ)で作られて(つくられて)いる時計を紹介(しょうかい)するよ。
今回(こんかい)は「脈がはかれる時計(みゃくがはかれるとけい)」のお話(はなし)です。
「SEIKO PULSE GRAPH(セイコーパルスグラフ)」
脈(みゃく)ってみんな知っているかな?
手首(てくび)に指(ゆび)をあててみるとドクンドクンとしている血液(けつえき)の流れ(ながれ)ている音が聞こえる(きこえる)だろ。これを脈というんだ。脈というのは、心臓(しんぞう)が血液を送り(おくり)だすことによって生まれる(うまれる)から、心臓のリズムといっしょなんだよ。だから運動(うんどう)をして、心臓の鼓動(こどう)が速く(はやく)なると、それにあわせて、速くなるんだ。でもふだんは、一定(いってい)のリズムできちんきちんと血液を送りだしているんだ。今回の「時の算数(ときのさんすう)」にもあったけど、ガリレオが振り子(ふりこ)の等時性(とうじせい)を発見(はっけん)した時、脈を使って(つかって)はかったといわれているんだ。
今回の未来(みらい)時計は、その「脈をはかれる時計セイコーパルスグラフ」だよ。
この時計は、健康(けんこう)のためにジョギングをしたり、もっと本格的(ほんかくてき)にマラソンに挑戦(ちょうせん)する人のために、作られているんだよ。
自分(じぶん)の心臓の働き(はたらき)を走っている時でも調べる(しらべる)ことができて、安全(あんぜん)に、賢く(かしこく)トレーニングするために作られた時計なんだ。
スポーツをすることは体にいいことだけれど、むりをすると、かえって体(からだ)の調子(ちょうし)を悪く(わるく)してしまうことだってあるよね。そういうことがおこらないように科学的(かがくてき)に自分の体の調子を知って(しって)、それにあった運動(うんどう)をすることが大切(たいせつ)だよね。
この「セイコーパルスグラフ」は、腕時計からのびた光(ひかり)センサーで、指から脈を読む(よむ)ことができるんだ。こんな小さなものを指につけるだけで、脈がはかれるんだからすごいよね。その仕組み(しくみ)を説明(せつめい)しよう。
センサーからでる青い(あおい)光が毛細血管(もうさいけっかん/かみのけのようなほそい、ほそーい血管)のヘモグロビンの量(りょう)をキャッチして脈拍(みゃくはく)データを解析(かいせき)して、脈拍データを腕時計におくるというものなんだ。
そして、そのデータは腕時計についている大きな液晶画面(えきしょうがめん)で、わかりやすく表示(ひょうじ)されるんだ。ハートのマークは脈にあわせて、大きくなったり、小さくなったりするんだよ。なんとなくかわいいよね。
それに、最初(さいしょ)に最大(さいだい)の脈拍をセットしておけば、それをこえてしまったときにアラームで教えて(おしえて)くれるという機能(きのう)もついているんだ。さらには、パソコンにつないで、このパルスグラフでとったデータをグラフにしたりといったこともできるんだ。
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この腕時計ができるまでは、走って(はしって)いる時の脈拍をはかるのには、大きな機械や胸(むね)につける心電計(しんでんけい/心臓の動きをはかる機械)が必要(ひつよう)だったんだよ。
そう考える(かんがえる)と、本当(ほんとう)に未来(みらい)時計といえるような時計だね。
さ、今回は「脈をはかれる時計」のお話でした。みんなはどう感じたかな。
次回(じかい)も、またおもしろい未来時計を紹介するよ。
「セイコーパルスグラフ」についてもっとくわしく知りたい人は、セイコーパルスグラフのホームページがあるからみてみてね。
http://www.seiko-pgt.or.jp/
2000年9月号
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