
これからの時計(とけい)はどうなっていくんだろう?
いちばん新しい(あたらしい)技術(ぎじゅつ)で作られて(つくられて)いる時計を紹介(しょうかい)するよ。
今回(こんかい)は「100年間(ねんかん)カレンダー合わせ(あわせ)のいらない時計」 のお話(はなし)です。
「セイコーパーペチュアルカレンダー」
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今回は「カレンダーあわせのいらない時計」だよ。
みんなが持って(もって)いる腕時計(うでどけい)のカレンダーは、ちゃんと合っているかな?
けっこう、日付(ひづけ)と曜日(ようび)がずれている人って多い(おおい)んじゃないかな。カレンダー合わせってけっこうめんどくさいよね。
カレンダー合わせをしなくても、自動的に合わせてくれるそんな腕時計があったらいいなって思ったことないかな?
セイコーの「パーペチュアルカレンダー」は、なんと2100年までのフルオートカレンダー機能(きのう)のついた腕時計なんだよ。
しかも、男性用(だんせいよう)では、10年間。女性用(じょせいよう)でも5年間も電池交換(でんちこうかん)をしなくていいという、おどろくほどの省エネルギー設計(しょうエネルギーせっけい)なんだ。
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さて、それでは、その仕組み(しくみ)をカンタンに説明していこう。
まずは、2100年までのフルオートカレンダーについてだよ。今までの時計は、時間をきざむのと、カレンダーを動かすのをいっしょに行って(おこなって)いたんだ。つまり時計の針(はり)が1日分進む(すすむ)とそれに合わせてカレンダーも1日分、動くという仕組みだったんだ。だから、30日の月と31日の月ではカレンダーを合わせなおさなければならなかったんだ。
でも「パーペチュアルカレンダー」は、カレンダー専用(せんよう)の世界最小(せかいさいしょう)の超音波(ちょうおんぱ)モータを使い(つかい)単独(たんどく)で、カレンダーを動かしていているんだよ。針の動きからマイコンIC(アイシー)が日付の切り替え(きりかえ)の時刻(じこく)を決め(きめ)、さらに内部(ないぶ)に記憶(きおく)したうるう年からの年数(ねんすう)や月(つき)、日(ひ)といったカレンダーデータから超音波モータが正しい日数分のカレンダーを送るという仕組みなんだよ。この仕組みによって、西暦2100年までのフルオートカレンダーが実現(じつげん)したんだ。ふつうの腕時計とかわらないサイズなのに、中(なか)にはものすごい技術がつまっているなんておどろきだよね。
これが、その世界最小の超音波モータの写真(しゃしん)だよ。
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マイクロ超音波モーター |
超うす型リチウム電池 |
つぎは、10年間電池交換なしに動くことを可能(かのう)にした超(ちょう)うす型(がた)リチウム電池についてだよ。写真にあるのがその電池なんだ。大きいのが男性用で、小さいのが女性用。女性用の腕時計はサイズが小さいので、寿命(じゅみょう)は男性用の半分(はんぶん)の5年間なんだ。この電池は「パーペチュアルウォッチ」のために開発されたもので、厚さは1.2ミリ、消費電力(しょうひでんりょく)は今まであったものの半分なんだ。
さあ、今回は「パーペチュアルカレンダー」のお話でしたが、それにしても100年間もカレンダー合わせがいらないなんて、すごいことだよね。21世紀(せいき)には、どんなすごい時計が出てくるんだろう。
次回(じかい)も、またおもしろい未来(みらい)時計を紹介(しょうかい)するよ。
2000年12月号
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